聲の形
これを読んだ。
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (11件) を見る
ふと見やったEテレで、
The shape of voice
とかいうタイトルを見てしまい…
「面白そう!」とテレビに本気に向き合った途端に、
電波不良でテレビが映らない!でもどうしても気になる!
…ので、Amazonでkindle版を全巻買って一気に読んだ!!
2回泣きましたねえ。
いやいや、こういう揺さぶる作品が描ける作家さん、
本当にすごいなと思います。
表現力が群を抜いているように感じました。
個人的に気に入ったのは、主人公視点で他人を見た時の描写。
主人公的に
「こいつには受け入れられてないな」
と感じている(であろう)人物の顔には、
×(バツ)
が描かれているんですね。
話が進むにつれてそのバツがはらりとはがれて顔が見えたり、
はたまた一旦はがれたバツがまた貼られていたりする。
そのバツ「受け容れられていない」っていう悲しさも表現されているのだと思うんですが、一方で
「それ、キミが勝手につけてるバツやん」
とも読者としては思うんですね。
受け容れてもらえないだろう…だから初めからバツジャッジしてやれ。
自分を守るために、付けたバツ。
終わりの方で
「ちゃんと、みんなの顔を見たい」(だったかな…)
このセリフが出たのは、重み、深みを感じました。
別に国籍が違っていなくても、
背負っている文化が違う、ということは往々にしてあるわけで。
共に生きていく、そのために必要なことって何だろう…?
伝えていくこと、わかろうとすること、
時には相手の都合や気持ちを考えずに、
「あたしはこう思ってんだよ!!わかれ!!」
って真剣に向かっていくこと。
ってのも、その一つなんだろうなと思いました。
※「植野さん」カッコええわ。一番好きですね。
最近、Twitterで「ダイアログ・イン・サイレンス」を知って
すごく興味を持ちました。(教えてくれた方、大感謝です!)
だから余計にこの作品のタイトルの
聲(こえ)
という漢字が自分に刺さったのかもしれないですねえ。
あと、この作品。
この作品の中で、
ベトナム人のおばあちゃんと日本のおばあちゃん(著者の実母)が
言葉は通じていないのにもかかわらず
気持ちは通じ合って、心の交流が図れている…というシーンがあって。
何か感じ入るものがあった、っていうのも大きいですね。
自分と違う人、今までなかったこと、わからない未来を、
自分の持つ前提でジャッジして無かったことにしたり、
ステレオタイプ的に分類してみたり、
あらかじめ先行き予測してみたり…。
そういうことをしていると面白くないなと、
そう思う人がもっと増えればいいのになあと思ったりしています。