多文化共生について考えるブログ

多文化共生にまつわることが書いてあるブログです。

聲の形

これを読んだ。

 ふと見やったEテレで、

The shape of voice

とかいうタイトルを見てしまい…

「面白そう!」とテレビに本気に向き合った途端に、

電波不良でテレビが映らない!でもどうしても気になる!

…ので、Amazonkindle版を全巻買って一気に読んだ!!

 

2回泣きましたねえ。

いやいや、こういう揺さぶる作品が描ける作家さん、

本当にすごいなと思います。

表現力が群を抜いているように感じました。

 

個人的に気に入ったのは、主人公視点で他人を見た時の描写。

主人公的に

「こいつには受け入れられてないな」

と感じている(であろう)人物の顔には、

×(バツ

が描かれているんですね。

話が進むにつれてそのバツがはらりとはがれて顔が見えたり、

はたまた一旦はがれたバツがまた貼られていたりする。

 

そのバツ「受け容れられていない」っていう悲しさも表現されているのだと思うんですが、一方で

「それ、キミが勝手につけてるバツやん」

とも読者としては思うんですね。

受け容れてもらえないだろう…だから初めからバツジャッジしてやれ。

自分を守るために、付けたバツ

終わりの方で

「ちゃんと、みんなの顔を見たい」(だったかな…)

このセリフが出たのは、重み、深みを感じました。

 

別に国籍が違っていなくても、

背負っている文化が違う、ということは往々にしてあるわけで。

共に生きていく、そのために必要なことって何だろう…?

伝えていくこと、わかろうとすること、

時には相手の都合や気持ちを考えずに

「あたしはこう思ってんだよ!!わかれ!!」

って真剣に向かっていくこと。

ってのも、その一つなんだろうなと思いました。

※「植野さん」カッコええわ。一番好きですね。

 

最近、Twitterで「ダイアログ・イン・サイレンス」を知って

すごく興味を持ちました。(教えてくれた方、大感謝です!)

www.dialogue-in-silence.jp

 

 

だから余計にこの作品のタイトルの

聲(こえ)

という漢字が自分に刺さったのかもしれないですねえ。

あと、この作品。

ベトナムの風に吹かれて (角川文庫)

ベトナムの風に吹かれて (角川文庫)

 

 この作品の中で、

ベトナム人のおばあちゃんと日本のおばあちゃん(著者の実母)が

言葉は通じていないのにもかかわらず

気持ちは通じ合って、心の交流が図れている…というシーンがあって。

何か感じ入るものがあった、っていうのも大きいですね。

 

自分と違う人、今までなかったこと、わからない未来を、

自分の持つ前提でジャッジして無かったことにしたり、

ステレオタイプ的に分類してみたり、

あらかじめ先行き予測してみたり…。

そういうことをしていると面白くないなと、

そう思う人がもっと増えればいいのになあと思ったりしています。